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ネバーランドカンパニーオフ2012レポート

2012年6月30日に、エストポリス伝記19周年を祝って、いささん幹事の元、ゲームカフェ・バー『Ninety』でネバーランドカンパニーのファンが集まってオフ会を開催しました。

スペシャルゲストとしてエストポリスシリーズディレクターの宮田正英氏、エストシリーズ音楽アレンジ、エナジーブレイカー・カオスシード音楽担当の中島享生氏が参加してくださり、さながらトークショー状態で様々なぶっちゃけトークを披露してくださいました。

オフ会で供されたメニュー

Ninetyさんの方でネバーランドカンパニー制作のゲームに出てきた数々のメニューを特別に再現してくださいました。

ドリンクメニュー

ウォッカ

出典:エストポリス伝記

ジン

出典:エストポリス伝記

ラム

透明で涼しげな外見とは裏腹に、アルコール度数は高めに思いました。そのままではちょっと辛かったので、チェイサーで氷水を頂きました。(らいなす)

出典:エストポリス伝記

タブローズ

薄い琥珀色で、ウイスキーの香りと微炭酸で刺激的でした。ウイスキーはあまり得意ではないのですが、炭酸のおかげか、美味しく頂けました。(らいなす)

出典:エストポリス伝記

ミラクロース

出典:エストポリス伝記

カタナールV

出典:エナジーブレイカー

カオスシード

出典:カオスシード

アダムのリンゴ

出典:エナジーブレイカー

リンゴのルビー

ウェルカムドリンクでした。

ノンアルコールです。綺麗な赤が目を惹く、甘さと酸っぱさの絶妙なコラボレート!ウェルカムドリンクとして配られました。これから始まるネバランオフの期待が一気に高まった一杯でした。(らいなす)

出典:エストポリス伝記

シナモンティ(ICE/HOT)

ICE:シナモンの香り豊かなお茶でした。

HOT:ホットもシナモンの香りがふわっと香る、甘くておいしいお茶でした。(らいなす)

出典:エストポリス伝記

せいすい

モンスター避けになる?

出典:エストポリス伝記

まほうのみず

出典:エストポリス伝記

サンデルタンのおちゃ

ほうじ茶のような香ばしい味と香りで、ほっと一息つけるような優しい味わいでした。(らいなす)

出典:エストポリス伝記2

ツヨナールV

出典:エナジーブレイカー

食事メニュー

だいこんせんしのサラダ、ぬしのゼリーかけ

哀れだいこん戦士がこんな姿に。Ninetyスタッフがぬしに挑んだ時は1ターン目は様子を見て、2ターン目で勝利したとのこと。ぬしはポン酢醤油風味だったようです。

出典:エストポリス伝記2

肉まん

なんと手作りのほかほか肉まんでした

出典:カオスシード

ドラゴンエッグのサニーサイドアップ

Ninetyスタッフさんが高尾山でエッグドラゴンを倒して入手してきたそうです。割るのも蒸すのも大変そうでした。宮田さんと中島さんによる入刀イベントもありました。

出典:エストポリス伝記2

ナワロアのパイ包み焼き

レモンに加えてタルタルソースを加えるというアイディアで美味しくいただくことができました。

出典:エストポリス伝記2

シナモンパイ

宮田さんはゲーム開発中はシナモンパイ・シナモンティ共にシナモンの風味がきつすぎてあまり美味しくないのではと思っていらっしゃったそうなのですが、今回のオフで実物を供されて美味しさに驚いていらっしゃいました。

出典:エストポリス伝記

魅惑の桃まん

見た目だけでなく口に含むと桃の風味がふわっと広がる本当の桃まんでした。

出典:カオスシード

レポート協力:らいなすさん、いささん

トークショーQ&A

参加者からの質問に対して宮田さん・中島さんがお答えいただくという形でトークショーが進行しました。掲載できないオフレコトークについては割愛させていただいています。気になる方は是非来年開催予定の20周年記念オフにご参加ください。

エストポリス伝記について

エストポリスというのはどういう由来があるのでしょうか

元は「エステール」という名前で開発していたのですが、その名前で商標がとられていたので名前を変える必要があり、語幹が似ている「エストポリス」にしました。「エストポリス」は「東の都市」という意味があり、シリーズを通して東西南北各エリアに大陸があるというイメージです。

エスト1の移動速度はなんであんなに遅いんでしょうか。エンカウント率もかなり高いと思うのですが。

制作中のデバッグ時は移動はあんなに遅くなかったんです。でもあまり早く移動できるとすぐに次の場所に着いてしまって冒険してる感がないので……エンカウントの多さもプレイ時間引き延ばし要素でした(汗)。

エスト2の実写版セレナとマキシムが出てくるCMは有名でyoutubeにも投稿されていますがエスト1のCMはないのでしょうか。

実はパッケージの後姿の4人の腕がゆらゆら動くCMが作られたのですが、社内にも現存していません。

Kelly追記:なんとyoutubeに投稿されていました。ただ、中島さんによればこれとは別のバージョンもあったそうです。

エストポリス伝記IIについて

カプセルモンスターのサバヘッドという上半身がサバで下半身が人間というモンスターはなかなか強烈ですがああいうモンスターはどうやって発案されたんでしょうか

カプセルモンスターや敵モンスターについてはモンスターデザインを一手に引き受けていたマツモトというスタッフの発案です。サバヘッドについては最初は人魚だったはずなんですがいつの間にか魚人になっていました。

エストシリーズには普通のファンタジーRPGにはないような結構変わった名前のアイテムが多いですが、そういったネーミングは宮田さんが考えていらっしゃったんでしょうか

アイテムについては大体メニューを担当していたスタッフのアイディアです。「サンデルタンのおちゃ」もそのスタッフが当時おちゃにはまっていたので採用されました。

「サーカスタム11」については当時の社長が持っていたギター、サーカスタムモデルが元ネタになっています。「湿気に弱く、すぐにネックが曲がってしまう」ため、社長がたまに会社に持ってきて一瞬だけ見せびらかしていたのをネタにしました。

エスト2のいにしえの洞窟がとても面白くて夢中になってプレイしました。宮田さんはクリアされましたか?

実は自分ではクリアしていません。いにしえの洞窟は、ああいうrogueタイプダンジョンは本当は1にも入れようと思っていたのですが納期や容量などいろいろ足りなくて入れられませんでした。そのため1には「建設予定地」のような立て札が立っています。

エスト2の女性キャラ、ユーザーの間ではティア派/セレナ派が分かれましたが宮田さんはどっち派でしょうか。

ティア派かなあ。

ミルカはアーティとカレンの子どもなんですか?

違います。カレンは未亡人です。

呪われた弓ののろいを解くと「アーティの弓」になりますが、あれは最初からアーティのために作られた弓だったということでしょうか。

特にそういうことはなかったはずです。強いて言えば1でジュリアに継承される「アーティの弓」への引き?

初代サントラに入っていない曲が1曲あるのはなぜでしょうか

当時はスタッフ間の連携が密でよく「ちょっと曲追加して」と気軽に注文したりしていたので多分サントラ収録後に追加したのかもしれません(宮田)

音源自体はあるので再販されたサントラには収録されています。(中島)

Kelly注:真相はサントラについての塩生さんインタビューに記載されています

DS版エストポリスについて

DSエストポリスはどうしてベタ移植ではなくアクションRPGになってしまったんでしょうか

エストポリスを再度出したいという希望を出したのはスクエニのプロデューサーさんなのですがその人の趣味です。ですがネバーとしてもアクションRPGは多数作っていてノウハウがあったことから積極的に同意したのでけして不本意だったわけではありません。

ただ、容量がかなり厳しく、ボイスも実際に収録したもののうち1/3ぐらいしか入っていません。

かなりの豪華キャストなのにボイスが1/3しか入っていないとはかなり残念ですが、ボイスを全て収録した完全版が今後PSP等で出る予定はないのでしょうか。

それは(笑)……そういった要望が多ければ出るかもしれませんね

カオスシードについて

声優といえばSS版カオスシードも声優が豪華でしたが、何かエピソードはありますか

実はSFC版のカオスシードは知り合いの声優の卵の方にやってもらったのですが、SSへの移植にあたって有名な声優の方々に依頼したので、収録時にはネバーから多数のスタッフがスタジオに見学に行ったりしました。

最初はあまり抑揚のないアナウンスだったのですが、中島の方で「拳を振り上げる感じで」などと演技の演出をして最終的にあのような音声になりました。

カオスシードはNDSのインターフェースにかなり合うゲームだと思うのですが、DS版が出ることはないのでしょうか。

そのあたりの版権はTAITOが持っています。続編や移植については要望が多ければ出るかもしれません。エスト1・2のバーチャルコンソール配信なども同じ扱いになります。

ただ、カオスシードは当時の開発スタッフ同士の連携がかなり密だったおかげで奇跡的なバランスを持って生まれたゲームです。移植でなく新作で同じようなシステムのゲームを作るとしたら、今は同じようにはいかないように思います。

エストポリス伝記IIIについて

ずばり、エストポリス伝記3はどうなっているのでしょうか

販売会社の日本フレックスが倒産してお蔵入りになったことは皆さんご存知のことだと思います。あの倒産は本当に寝耳に水で、それまで普通に制作していたのに、朝会社に来て突然倒産を知った有様でした。日本フレックスが倒産してしまったので「エストポリス伝記3 ルーインチェイサーズ」という名前で続編を出すのは困難な状況です。

しかしシナリオ自体は既に書きあがっていて宮田のPCのハードディスク内に保管されています。名称はともかく状況が許せば制作したい気持ちはあります。

98年の東京ゲームショウでのエスト3のお披露目は、キャラクターのコスプレをしたコンパニオンガールが舞台でエスニックなダンスミュージックで踊るという、シリーズのイメージとかけ離れたものでしたがどうしてあんなことになったのでしょうか

代理店の人が全て手配して物事がどんどん進んでいってあんな感じになりました。今思い出してもバブリーですよね。

その時の東京ゲームショウで流れたエスト3のイメージムービーは社内に残っていないでしょうか。現在ファンサイトで個人的に作成したものが誤って公式ムービーとして流通している状態なので、本家があればそちらをyoutubeなどに上げていただけると嬉しいのですが

残念ながらムービーは社内には残っていないと思います。BGMの音源だけは中島が保管しています。ちなみにDSエストポリスの制作にあたってBGMのアレンジ元になった音源も中島が個人的に保管していたものでした。

ネバーランドカンパニーについて

ネバーランドカンパニーの略称はネバカン/ネバラン/ネバーどれが正しいのでしょうか

正式名称というわけではないですが、社内では『ネバー』と呼ばれています

中島さんはどういう経緯で参加されたのでしょうか

まだネバーが3LDKのマンションで制作していた時代、最初は友人のつてでデバッガーとして参加して、エスト1のデバッグとかやっていました。その後音楽担当になり、「よみがえる伝説」や「エナジーブレイカー」「カオスシード」のBGMを担当しました。現在はネバーを離れて個人で活動していますが、自分自身かなりのエストファンだと思っています。(中島)

昔エストポリス伝記3ファンサイト掲示板に「いつかエストポリスの続編を作るためにゲーム業界に入ってネバーランドに入社しようと思います」と決意表明をし、実際に入社した方がいらっしゃいました。その後一旦ネバーランドを退社したとうかがっていたのですが、DS版エストポリスのスタッフロールでお名前をお見かけしました。DSエストポリス制作にあたって宮田さんがお声がけされたのでしょうか。

特に制作が決まって声をかけたわけではなく、あの時期彼が戻ってきていたのは偶然でした。けれど結果的に初志貫徹してエストポリスの制作に携われたことになりますね。(その方はその後また別の会社に転職されたそうです)

音楽盗用問題について社内ではどういう反応だったんでしょうか

スパロボKの件について:中島経由で知ったのですが、ウチはデベロッパーなので、ネバーでは何もできませんでした(宮田)。そんな状況なので無視されてもおかしくなかったものが、会社として謝罪があったのは大変なことだと思います(中島)。

Alice Nineの件について:これも中島経由で知ったのですが、やはりネバーでは何もできない状況です(宮田)。youtubeなどでは海外の方が先に類似性を指摘してされていたようですね(中島)。エストポリスは海外にも熱心なファンの方がいて、会社宛に英語でファンレターが来たこともあります(宮田)。

ネバーや中島さんの最近のお仕事を教えてください

ネバーの最新作はルーンファクトリー4です。(宮田)

スマホアプリなどの音楽をよく作っていますが、最新のものはパズル&ドラゴンズのメニュー画面の音楽です。(中島)

最後にファンに一言お願いします

こういう風に、直接ファンの方とお会いできる機会は少ないので、またオフ会があったらいつでも呼んで下さい。来年あるとしたら次回は是非塩生にも連絡をとれるようにしておこうと思います。

おまけ・記念グッズ

Ninetyさんの方でネバーランドカンパニーのロゴ入りTシャツを特別に制作してくださったので、参加者一同購入して宮田さんと中島さんにサインをお願いしたところ、快くサインをいただけました。ありがとうございました!

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